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    • なぜ大変な思いをして導入したCRMが、効果を発揮しないのか?

    • 2016年9月5日
    • CRM

CRM導入時の落とし穴

90年代の後半に米国で誕生したCRM(顧客関係管理、Customer Relationship Management)は、既に20年以上の歴史を持っています。 ソリューションウェアではCRMやSFAといった顧客価値を最大化するためのシステムの構築に強みを持っていますが、複数のCRM導入現場を経験する中で、規模、業種を問わず同じような落とし穴にはまってしまっているお客様が多いことに気づきました。 CRMが日本に上陸したのは1998年頃で、それから15年以上が経過していますが、CRM導入をめぐる落とし穴の種類や性質は、その当時からほとんど変化していません。 しかし相変わらず同じ落とし穴にはまり続けている会社が多いという感触を持っています。 今回は、せっかく導入したCRMが効果を発揮できない原因となっているこれらの落とし穴についてお話したいと思います。

落とし穴その1 CRMという「ITシステム」を導入すれば良いと勘違いしている

ありがちですが、わかっていてもはまってしまう落とし穴がこれです。 CRMというITシステムの導入がプロジェクトの途中から目的化してしまい、収益向上や営業活動の最適化といった本来の目的を忘れ去るパターンです。 CRMの効果を発揮するためには、営業その他顧客に接触する部門の施策やアクションを数値管理してPDCAを回す業務プロセスの変革が必須です。 ITシステムは重要ですが、CRMという業務システムの一部に過ぎません。 ITシステムを導入しただけではCRMは実現できないのです。 あくまでの業務改革とセットで取り組まなければ効果は上がりません。 ところがここを勘違いしてしまっていることによって、ITシステムとしてのCRMにとらわれた結果、業務システムとしてCRMの構築がなおざりになってしまい、期待していた効果が発揮できないというケースが非常に多いです。

落とし穴その2 CRMの導入が、組織・評価制度改革と連動していない

こちらも良く見られるケースです。 CRMの導入に当たっては、落とし穴その1でも述べたように営業プロセスの改革が必要となります。 しかし営業マンも人間である以上、慣れ親しんだ従来の手法を踏襲しようとします。 人間の性とも言えるこの現状踏襲の力は非常に強いものです。 これを変えるためには、CRMに適した業務プロセスにマッチした組織や評価制度を作るための改革もセットで行う必要があります。 しかしそもそもこの点が理解されていないことが多く、これが原因となりCRM導入プロジェクトが失敗する例が散見されます。 たとえば営業会議ではCRMに入力した情報しか報告してはいけない(CRMに入力されていない営業活動は評価されない)ルールに変えるなどの工夫をして、営業マンの行動を変革していく必要があります。 既存の組織・評価制度を温存したままでは、業務変革が不可能となり、CRMの導入も失敗に終わってしまいます。

落とし穴その3 単純な分析手法に依存する

国内市場がシュリンクしていく現代においては、競合よりも先に将来の優良顧客を識別・判別し、囲い込んでいく戦略が欠かせません。 しかしそれを行うためには従来のRFM分析や属性情報や意向情報(アンケート)を利用した分析では力不足です。 顧客ニーズが曖昧になっている現代においては、同じ性別、同じ年齢層、家族構成、職業、地域の人々が同じ購買行動を取るとは限りません。 さらに顧客が明確な意向を示さなくなってきていることから、意向情報を利用した分析にも限界があります。 そのため、行動情報に頼るしかないのですが、たとえばRFM分析は現在の重要顧客を識別するための有用な武器となりますが、将来の優良顧客を見つけ出す役には立ちません。 よってクラスター分析といったより高度な分析を行う必要があります。 クラスター分析やデータ枚ニングは、顧客の属性情報や意向情報等にとらわれずに行動ベースで現代の顧客の複雑な姿をあぶりだすのに有用です。 もちろん分析結果を解釈するのは人間である以上、高度な分析を使用するには分析担当者にもそれなりのスキルが求められます。 しかし単純な分析手法からは、単純なセグメントしか導き出せません。 わかりやすい架空のセグメントに対して、いくら施策を打っても、顧客が存在しない以上効果は出ず、徒労に終わってしまいます。 どんどん曖昧になっていく現代の顧客の姿をダイナミックに捉えるためには、従来の単純な分析に依存せずに、クラスター分析やデータマイニングといった手法を活用する必要があります。

落とし穴その4 分析に終始してしまっている。分析結果が肝心の打ち手につながらない

分析が完璧でもそれが具体的な打ち手/施策/アクションにつながらないのであれば、何の意味もありません。 打ち手は現場で使えることが大前提です。 そして現場は営業だけに限定されません。 営業、製品開発、カスタマーサポート部門等、顧客に接するすべての部署が現場となりえます。 その上で、顧客のセグメントを現場の人間が容易に判別でき、そのセグメントに合った適切な対応を実行できる必要があります。 高度なセグメンテーションは、効果が高い半面、現場におけるセグメント判別が難しくなるという側面があります。 このため、セグメント判別のためのシグナル情報が重要になります。 こういったシグナル情報を明示できないのであれば、現場での顧客判別が不可能になってしまいます。 そのようなセグメントは絵に描いた餅にすぎません。 シグナル情報を明示した上で、セグメントごとに適切な差別的アクションが取れるよう、現場を訓練する必要があります。 セグメントをいくら細かく分けても、セグメントごとに差別的な接遇ができないのであれば、意味のないセグメンテーションになってしまいます。 そのようなセグメンテーションであれば、無い方がましです。 そのためどこまで差別的なアクションが取れるかという現場の能力も含めてセグメントを設計していく必要があります。 以上、ざっくりとCRM導入をめぐる四つの落とし穴についてご紹介しましたが、この他にもCRM活用の前提となる1顧客1ID化が達成できないことや、顧客情報の陳腐化カスタマイズのしすぎでCRMのメンテナンスが不可能となるといった問題もあります。 ソリューションウェアでは、これまでCRMを導入してきた経験・知見により、このような課題・問題を回避し、真の意味で効果を発揮するCRMを実現するノウハウを蓄積しております。 CRM・SFAの導入をご検討されている企業様、既に導入してみたものの効果が今一つ上がらないと感じている企業様は、お気軽にご相談ください。 ソリューションウェアお問い合わせページ

この記事を書いた人 : 佐藤冬彦

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